葉留佳ルート・~姉と妹、幸福と不幸~

 2009//06
外国ではなぜ18禁ものはhentaiなんだろうね

メルだよ

前回の続き
葉留佳はなぜ風紀委員会にちょっかいを出すのか
なぜ風紀委員長、二木佳奈多は執拗なまでに葉留佳を目の敵にするのか
それらにはすべて、家庭の事情と関連する理由(わけ)があった



葉留佳の代々の家は、昔、地主だったらしく
戦後の土地改革で没落して、小さな山と田畑が少しだけになった。

葉留佳「残った土地で事業を興したんだけれど、それも失敗して、生活はひどかったんだって」
葉留佳「でも、昔からいい暮らしをしてた三枝の家の人間は、プライドだけ高くてね」
葉留佳「どうしたら惨めな自分たちが救われるか、って考えたんだって」
葉留佳「それで、小さな斎場を作ったの」
葉留佳「山にもっともらしい小さな社があったから」
葉留佳「…何にもなかったから、自分たちの血を崇めることにしたんだって」
葉留佳「ほんと、馬鹿らしい話」


それでなんとか持ち直した三枝の家は、血に拘るようになった。
元々短命なひとが多かったから『きまり』を作って血を守ることにした。

理樹「きまり…?」
葉留佳「子孫が絶えてはダメだからって…一族の娘に、お婿さんを二人あてがうことにしたの」
葉留佳「なんというか…時代錯誤もいいところ…笑っちゃうよ」
葉留佳「でも、笑えないのは、私『たち』がそうして出来た子供だってことなんだ」

理樹「たち、って、葉留佳さん、きょうだいがいるの…か…まさか」
葉留佳「そうだよ。理樹くんが今考えたとおり」

葉留佳「二木佳奈多は、片割れ」

葉留佳「…双子の片割れなんだ」


葉留佳「私たちの母親にも、お婿さんが二人のはずだった」
葉留佳「でも、それに納得できなかったお婿さんの一人が…事件を起こした」
葉留佳「私は、三枝晶という名前と顔写真だけしか知らない」
葉留佳「理樹くんが会ったことのある男のひとは、後から本家に連れてこられたひとで」
葉留佳「三枝晶は不満だったんだと思う」
葉留佳「その結果、…その結果、三枝晶は家に押し入ったの」


ろくでもないしきたりに縛られた大人が、醜い感情をぶつけあったにちがいない。

葉留佳「三枝の家の面子は丸つぶれだった」
葉留佳「地元の名士で通るところまで持ち直したのに、それをぶち壊されて」
葉留佳「でも、母親は一族の直系だった」
葉留佳「子供だけ残して、親たちを勘当する予定だった親戚は産まれた双子に驚いたの」


驚いたのは双子ということにじゃなかった。
異父重複受精だと診断された。

葉留佳「…わかりやすく言うとね、父親違いの双子なんだって」
葉留佳「ただの二卵性双生児は父親と母親が一緒」
葉留佳「でも私たちは違った」
葉留佳「…それで、親族会議で、三枝晶の子供『ではない』子供を引き取ることにした」
葉留佳「でもね、うちの親たちはそのときには勘当の上追放されて行方不明」
葉留佳「どちらが『そう』なのかわからなかった」
葉留佳「…小さい頃から比べられて育ったの」


きょうだいが比べられて育つのは当たり前のことかもしれない。
でも、葉留佳さんの語る内容は行動の全てを比較するようなものだった。
どちらが先に喋るようになったか。
──『佳奈多はもう沢山言葉を知っているんだなぁ』
どちらが先に歩いたか。
──『佳奈多、そんなに歩き回って…しょうがない子』
どちらがしつけやすかったか。
──『正座我慢できるなんて偉いなぁ、佳奈多』
どちらがかしこいか。
──『もう本が読めるのか?すごいなぁ、佳奈多』
どちらがじょうぶなのか。
──『佳奈多、微熱があったのに園内マラソンで一位だったのよ』

葉留佳「…中学にあがるぐらいには、評価が決まりつつあったの」
葉留佳「選ばれたのは」


葉留佳さんは俯いた。

葉留佳「佳奈多(あいつ)だった」

分家だった二木の家があいつを育てていた。
だから、今、三枝を取り仕切っているのは二木の人間。

葉留佳「私は、三枝晶の娘ということになった」
葉留佳「そういう風に決められたの」
葉留佳「その後の私はね、疫病神みたいに言われたよ」
葉留佳「三枝の面汚し、ロクデナシの娘、ゴクツブシのヤクタタズ」
葉留佳「事業が上手くいかないときは私のせい」
葉留佳「寄り合いで陰口叩かれるのも私のせい」
葉留佳「…泥水に顔を押しつけられたまま、謝罪を叫ばされたこともあったよ」
葉留佳「『ごめんなさいごめんなさい迷惑かけてごめんなさい』」
葉留佳「『私のせいですごめんなさいごめんなさい全部私のせいですごめんなさいごめんなさい』」
葉留佳「…謝罪を神さまが聞いてくれたら泥水がお酒になるんだって」
葉留佳「ははははは、本気で言ってるんだよ、あのひとたち…ははははは!」
葉留佳「いるわけないのに!どこにも神さまなんているわけないのに…っ!」
葉留佳「『酒になったか』って何度も訊くんだよ。何度も、何度も、何度も」
葉留佳「…馬鹿じゃないの!?馬鹿馬鹿しい…っ!」


壊れたラジオみたいに紡がれる言葉。
そのひとつひとつが怨嗟に満ちていた。

葉留佳「…三枝の神さまは私を助けてくれなかった」
葉留佳「助けるどころか神さまのせいで私は殴られた。左利きなのがその証拠なんだって」
葉留佳「左のほうが使いやすいんだもん…しょうがないじゃん…」
葉留佳「使えば殴られて…右を使って失敗したら殴られて…それも神さまが決めたんだって」
葉留佳「あはははは、おかしいよね?おかしな神さま…そんな神さまなんて」
葉留佳「いるわけがない…っ!」


俯いたまま喋っている葉留佳さんがどんな顔をしているかはわからなかった。
惨めな日々をただ、語る。
間をおいた葉留佳さんの口調が少し変わる。

葉留佳「…そう…あれは久しぶりに晴れた朝のことだった」
葉留佳「…学園に入る少し前だったかな」
葉留佳「あいつがあの二人の親を捜し出した」
葉留佳「理樹くんも会った、あの二人の親が私を三枝の家から連れ出して」
葉留佳「一緒に住むようになったんだ」
葉留佳「あいつの差し金なんだって、聞かされた」
葉留佳「あいつは、私に同情したんだって」
葉留佳「カワイソウだから、そうして『あげた』んだって」
葉留佳「でもね違うの。そんな理由じゃないの。…私がいるから」
葉留佳「私のせいで、三枝の家が悪く言われるから」
葉留佳「あいつも私をいじめたいだけなんだ」
葉留佳「惨めな私をわらうために連れてきたに決まってる」
葉留佳「だから、私は」


がし、と葉留佳さんの左手が伸びた。
シャツの首元を強く引っ張られる。
力が入りすぎているせいか、指先は血の気を失っている。

葉留佳「私は」

ぞくり、とした。
ぎゅ、と瞳孔が狭まった葉留佳さんの瞳はぎらぎらと輝いている。

葉留佳「私は、あいつが苛つくことをしようと思ったの!」
理樹「は、葉留佳さん…」

濡れた瞳のまま、心の奥の澱を吐き出すように続ける。

葉留佳「あいつや、あいつを崇める馬鹿なオトナたちをわらいたかったの!」
葉留佳「私のすること、私のしたこと──私がダメになればなるほど、あいつもダメになる!」
葉留佳「あはは、そうでしょ?だって、母親は一緒なんだもの!」
葉留佳「半分一緒なんだもの!何もかも、あいつと違うことをしたかったの!」
葉留佳「あははは、優等生ぶった、かっちり固まった真面目なあいつを貶めたかったの!」
葉留佳「いつも苛ついてるあいつを見るのは楽しかった!ホントに楽しかった!」
葉留佳「毎週報告がいくの…きっと苦々しい顔をしたオトナたちがあいつに説教をするんだ!」
葉留佳「『おまえの監督がなっていない』『おまえがいてなんたるザマだ』『おまえはアレとは違うのだ』」
葉留佳「いい気味!あははははは!偉そうにしているくせに!」
葉留佳「縛れたままなの!バカなあのオトナたちに!でも、私は自由だから!」
葉留佳「三枝の家では私は学校にも行かせて貰えなかったから、今、とても楽しいよ!」
葉留佳「たのしくっておかしくってしょうがないよ!あははははは!」


葉留佳さんは笑いながら続ける。

葉留佳「ずっとずっと楽しいことしてたのに…」
葉留佳「…あいつが撒いたんだ」
葉留佳「…あいつがやったんだ。あいつが、あいつが…」
葉留佳「あいつは今になって私に与えたものが惜しくなって、全部奪うことにしたんだ…」
葉留佳「あいつが…あいつが…あいつが…」


ぎり、と歯ぎしりの音がする。

そう、佳奈多は学園の至るところで
ビラや黒板に事件のことも、そして葉留佳のことを撒いた
『■とごろし』
『前科■■』
『汚■た血の■』

と。
それも、全て
葉留佳を追い詰めようとするがため…



葉留佳さんはぽたぽたと涙をこぼしながら、二木さんを罵った。

葉留佳「…いやだ…」
葉留佳「いやだ…いやだ…いやだいやだいやだいやだいやだいやだ」


葉留佳さんは頭を抱え込む。

葉留佳「学園の中でも…三枝の家と同じコトされるのはいやだ…いやだ…」
葉留佳「痛いのはいや。辛いのはいや。苦しいのもひもじいのも悲しいのもいや…」
葉留佳「でも、もっといやなのは私がいちゃいけないっていわれるのが一番いや…!」
葉留佳「私…私に…私には、居場所なんかどこにもないのに…」
葉留佳「この居場所もなすくなんていやだ……いやだ…いやだ…」


葉留佳さんはがたがた震え始めた。

葉留佳「私、わるくない…私はわるくなんかない…私のせいじゃない…」
葉留佳「あいつがわるいんだ…私じゃない、私じゃない…」


家も、全て、何一つ葉留佳にはなかった
あるのは痛みと恐怖という名の感覚だけ
そう、葉留佳には何も無い
それに理樹は

葉留佳「…ねぇ、理樹くん」

僕は息を呑む。
背筋が震えた。
濁った葉留佳さんの目…虚ろな目。
そんな目をしている女の子は泣き笑いの表情のままだ。

葉留佳「私、こういう子だよ」
葉留佳「うん、わかってて全部やってたの」
葉留佳「なんどもなんどもなんども…わかっててやってるの」
葉留佳「たのしいもの。うれしいもの」
葉留佳「つらくないもの。くるしくないもの」

理樹「葉留佳さん…」
葉留佳「ほんとうは、わるいこなんだよ」

さっきから二転三転する言葉を吐く葉留佳さんは、強く僕の腕を握った。
ぎりぎりと葉留佳さんの指が食い込む。
痛みは雰囲気に飲まれて感じなかった。

葉留佳「いっそうまれてきたことをくいあらためたほうがいいんだよ」
葉留佳「あはははは」

理樹「葉留佳さん」
葉留佳「おまえなんかいらないって。おまえなんかいなければよかったって」
葉留佳「おまえのせいだって…ぜんぶおまえのせいだって…おまえがぜんぶわるいんだって」
葉留佳「…おまえなんか、しんじゃえって、みんながいうの」


僕の腕を握る葉留佳さんの手が震えている。
──想像した。
見上げる。
小さな自分を取り囲む幾多の黒い影。
黒い影たちから声がする。
自分と他人を比べる声。
それはやがて自分を否定する声に変わる。
幼いころから、ずっとそうされてきたら、ひとは何を頼りに生きてゆけばいいのだろう。

葉留佳「私、こんななら──」

葉留佳さんは顔を歪めた。
ありったけの心の澱をぶつけるように。
ここにいない誰かに怨嗟を叫んだ。

葉留佳「──こんななら、生まれてこなければ…よか…っ!」

理樹「葉留佳さん!」

僕は葉留佳さんの肩を掴んだ。
肩を揺さぶる。何度も揺さぶる。
しゃくりあげる葉留佳さんに僕は怒鳴った。

理樹「そんなこと、言っちゃダメだ!」

葉留佳さんの瞳孔に光が戻ってくる。

理樹「…そんなこと、言っちゃダメだ…!」
葉留佳「どうして」

幼子のように葉留佳さんが僕に問う。

葉留佳「どうして…?」
理樹「だって、そんなの悲しいじゃないか」
理樹「ちっとも楽しくない」


葉留佳さんの指が震える。

理樹「…自分を自分で否定したら、本当に何もかもなくしちゃうじゃないか…」
理樹「だから、言っちゃダメだ。そんなことは、口にしちゃいけない」


それは誰から聞いた言葉だっただろう。
恭介だったかもしれないし、それ以外の誰かだったかもしれない。

理樹「もう、言わないって約束して」
葉留佳「………」
理樹「葉留佳さん。約束して。もう、言わない、って」

どうして、と葉留佳さんの唇が動いた。
どうして?
…そうだ、『どうして』?
どうしてそんな約束が出来るのか?
そんな約束を強いることが出来るのか?

理樹「…そうか」

理樹「僕は、葉留佳さんのこと、好きだから」

葉留佳「え…?」
理樹「それだけ。生い立ちとかそんなの関係ない」

二木さんへの反発心。
三枝葉留佳という女の子を否定されるような言動に僕は腹を立てていた。

理樹「僕は葉留佳さんのこと、好きなんだ」

誰だって…
誰だって、好きな女の子を悪く言われて腹を立てないはずはなかったのだ。
葉留佳さんは、再び泣き出した。
寮には帰りづらい、という葉留佳さんを僕は家まで送っていた。

理樹は、この子の支えになることを決心したのだった。
そう、何も無い葉留佳にとって唯一の支えに。
それから、案の定、学園中に噂は拡大していたのだった

「…組のあの子でしょ?お父さんがね……だって」
「…やっぱり、ねぇ」
「でしょー?」
「…なんでもね、部屋がこう血の海で」
「…え?灯油撒いて放火したんでしょ?」
噂はあっという間に拡大し、面白おかしく尾ひれがついていった。
「…大きな…でメッタ刺し…」
「…それでさぁ、あの子の机の中にもナイフがあるんじゃ…」


僕は耳を塞ぎたかった。
葉留佳さんは、どうしているんだろう?
それを思うと、ビラを撒いたやつらに腹が立った。

だけど、理樹は何も言わなかった
何かを言ってしまえば、悪化するだけだろうと思ったからだ
だが…

バン、と音がした。
立ち上がったのは、風紀委員長だった。
二木さんの表情は厳しい。
学食は一瞬静まりかえった。
無言で二木さんが立ち去ると、また喧噪が戻る。

真人「…なんか荒れてんな、二木も」
謙吾「無責任な噂で持ちきりだからだろうな」
真人「あぁ?なんだよそれ」
恭介「二木が三枝を目の敵にするのは、姉妹だからだっていう噂だ」
真人「ホントかよそれ…って恭介」


牛乳の紙パックを持った恭介は僕を見下ろしていた。

恭介「なんとなく似てるしな、二人とも」
真人「証拠はあるのかよ」
恭介「ない。だから、二木も苛立ってるってとこだろう」


二人が姉妹だと知っているのは、僕だけなのかもしれない。
箸を置きながら、僕は心の中で呟いた。
昼食後、中庭を通りかかった僕は、葉留佳さんと二木さんの喧嘩にでくわした。



姉妹って気づかないほうがどうかしてるんじゃねw
似すぎだろw

と、それは置いといて

佳奈多「話を最後まで…」
葉留佳「あんたの話なんか聞きたくない」
佳奈多「待ちなさい!」


二木さんは葉留佳さんの腕を掴む。

葉留佳「何っ!」
佳奈多「…っ」


掴んだまま硬直する二木さん。

佳奈多「…話を、聞きなさい」
葉留佳「私は、ただ通りがかっただけなんですけどネ?」


憎々しげに葉留佳さんは言い捨てた。

佳奈多「…きょうだいだって、言いふらしてるのはあなたなの?」
葉留佳「はっ!何?そんなの知らない」
佳奈多「止めなさい。もしあなたならば、だけれど」
葉留佳「私じゃないよ。自然に出たんじゃないの?」
佳奈多「…三枝葉留佳。あなたのやっていることは、愚かなことなのよ」
葉留佳「はいはい、そうですね、私はバカでオロカなので、しょうがないんですヨ」
佳奈多「誰もあなたが馬鹿だなんて言ってないでしょう」


二木さんの態度はいつものように刺々しくなかった。
かんで含めて言い聞かせるような口調。

佳奈多「知ってる?その噂はあなたの心証をさらに悪くしてる」
佳奈多「他人に噂の矛先を向けさせようとしてるって言われてるのよ」
葉留佳「…委員長さまはみんなから慕われてるようで良かったね」
佳奈多「…はる…いえ、三枝葉留佳。指導室へ放課後来なさい」
佳奈多「先生方が聞きたいことがある、って」


葉留佳さんの顔色が変わった。

葉留佳「は、話すことなんて、なにもないっ」
佳奈多「いいわね。伝えたから」
葉留佳「…っ」
葉留佳「手を回したんだ。あんたはそういう方法ばっかり使う」
佳奈多「………」
葉留佳「わかった。行けばいいんでしょ、行けば!」


葉留佳さんは肩を怒らせて校舎のほうへ歩き出した。

佳奈多「…ふぅ」
理樹「二木さん」
佳奈多「ねぇ、あなたはどう思う?」
佳奈多「困ったことになったと思わないかしら」
理樹「きみが招いたんじゃないのか」
佳奈多「三枝葉留佳は…支えを見つけたのかしらね」


二木さんは僕の質問には答えない。
そして、ひた、と僕を見据える。

佳奈多「…お節介なひとね、あなたは」
佳奈多「あの子、そのうち潰れるわよ」
理樹「潰そうとしているのはきみだろ?」
佳奈多「あなたにはそう見える?」
理樹「見えるもなにも、そのものじゃないか」
理樹「学校から追い出そうとしているみたいだ」


二木さんは、唇の端を歪めた。



理樹「え?」
佳奈多「私がやっているのは、逆。全くの、逆」
佳奈多「潰すために追い出そうとしているわけじゃないの」
佳奈多「こうでもしないとあの子、潰れちゃうから」
理樹「追い出された方がいいとでも、言うのかっ」
佳奈多「…そうね。そちらのほうが幸福じゃないのかしら」
佳奈多「次こそ…次こそは三枝葉留佳の居場所も見つかるでしょう」
理樹「本当にひとでなしだな」
佳奈多「…うん。しってる」


二木さんは頷いた。

佳奈多「私はひとでなしだわ。あなたに何度も言われた通りね」
佳奈多「ひとでなしだから…なんでもする」
佳奈多「でも、直枝理樹、あなたが悪いんだからね」
佳奈多「その意味で、私はあなたが嫌い」
理樹「…僕もきみが好きじゃない」
佳奈多「あら、相性がいいわね。ふむ?」
佳奈多「三枝葉留佳をかまうのなんかやめて、私と付き合わない?」
理樹「…お断りだ」
佳奈多「あらら。振られちゃった」


ふふん、と二木さんは鼻で笑った。

佳奈多「では、傷心の女の子は退場するとしますか」
理樹「誰が傷心してるって?」
佳奈多「勿論、私よ。決まってるでしょ?」


いつものように無表情な二木さんは、そんなことを言うと立ち去っていった。

姉妹だってことを知られれば、佳奈多もただでは済まないだろう
同じ三枝の血を引いてるのだから
佳奈多に対する世間体がひどくなれば、二木の家の人間は黙っちゃいないだろう
きっと葉留佳同様、佳奈多もいたぶられるに決まっている。
二木と三枝は何より世間体が大事だとのこと
それを考えれば、この手段を用いたのは追い詰められた葉留佳に違いない
しかし、これで本当に良いのだろうか?
この姉妹はこれで良いのだろうか?
お互いを潰し合って、憎み合って、幸福と不幸の奪い合いをするゲーム
以前に、佳奈多は意味深に言った

「誰かが幸福になれば誰かが不幸になるゲーム」
「プラスとマイナスがぐるぐる回ってゼロに戻ってくるゲーム…」


果たして、この姉妹は憎悪に駆られて生きていくしかないのか
どちらが全ての元凶、三枝晶の本当の娘なのか
理樹はこの姉妹に何をしてあげられるのか
その答えは…






次回に全て記される…はず

つづく

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